【強酸性電解水とは?】
1980年代後半、MRSAにも著効を示す殺菌水として、
我が国独自に開発され、科学的解析により今日では
「低濃度高活性の次亜塩素酸水」としての認識が広まっています。
生成方法は0.1%以下の薄い食塩水を直流電圧によって
電気分解することにより、陽極側に生成されます。
生成器メーカーにより呼び名が、超酸化水、強酸化水、強酸性水、酸化イオン水、
アクア酸化水など異なりますが同じ特性の水です。
強酸性電解水の物性として、PHが2.7以下、酸化還元電位+1.1V以上、
溶存酸素濃度15ppm以上、溶存塩素濃度20~40ppmが挙げられます。
この物性値を示す強酸性電解水中の次亜塩素酸、過酸化水素(H2O2)、
ヒドロキシラジカル(・OH)により殺菌力に優れ、
あらゆる分野において活躍しております。
さらに安全性も高く残留性がないため環境にもやさしいことが示されております。
■強酸性電解水の特徴
1.殺菌作用
強酸性電解水中に存在する次亜塩素酸(HClO)は,強力な殺菌力を持ちます。
この次亜塩素酸が皮膚表面の細菌を除去してくれるので、
細菌などによる二次感染の防止にたいへん有効です。
2.肌の引きしめ作用
pH2.8以下という強い酸性は肌を引き締める効果があります。
皮膚層にはセラミドという角質同士を結びつけている物質があり、
ドライスキンの皮膚はこのセラミドが不足してます。
そのため、水分保持機能やバリヤー機能が低下して肌荒れの原因に
なっています。
強酸性電解水にはセラミドが減少してスカスカになった皮膚層を
引き締めて水分の蒸発を防ぎ、きめ細かな皮膚になる作用があると
いわれています。
3.肉芽形成促進作用
強酸性電解水を切り傷や擦り傷,潰瘍性の皮膚疾患につけると早く、
きれいに治ることが世界的な医学雑誌にいくつも発表されています。
これを肉芽形成促進作用(コラーゲンの生成促進作用)といいますが,
なぜ強酸性電解水がこの作用を持つかは,まだ科学的には
証明されていません。
4.かゆみ、炎症抑制作用
強酸性電解水は、かゆみや炎症を押さえる働きがあるといわれていますが,
まだ酸化イオン水中のどの成分が働いているかは科学的には
証明されていません。
下の表は病原菌に抗菌活性を示したものです。
微生物 | 殺菌時間 | 微生物 | 殺菌時間 |
黄色ブドウ球菌 | 10秒以内 | サルモネラ菌 | 10秒以内 |
MRSA | 10秒以内 | 腸炎ビブリオ菌 | 10秒以内 |
大腸菌O-157 | 10秒以内 | カンジタ菌 | 15秒以内 |
緑膿菌 | 10秒以内 | 結核菌 | 2.5分以内 |
セラチア菌 | 10秒以内 | セレウス菌 | 5分以内 |
国立感染症研究所データ参照
■薬品との違い
強酸性電解水は、薬品の必要条件(安全性、安定性、保存性)を必ずしも、
満足させる物ではありません。
特に安定性や保存性には注意が必要です。
光や有機物に反応して(塩素に荷電された)酸化還元電位が低下し、
その後は唯の酸性水という水の性質になってしまいます。
従って、利用においては生成直後が一番望ましいものと考えられます。
安全性については、他の薬品類と比較して酸度(酸味)が低く、
また、薬品とは異なり利用によっては変化しやすいことは
欠点ではありますが、利点として毒性が低く比較的、
安全性の高い水と言えます。
■強酸性水に関する時代背景
【国内】
1987 アクア酸化水製造装置開発 MRSA(80年代後半~90年代)
→院内感染対策
1990 アクア酸化水殺菌力環境感染学会で発表
1992 アクア酸化水研究会(現、機能水医療研究会)発足
1993 (財)機能水研究振興財団設立
1994 (株)機能水研究所設立
1994 ウォーター研究会発足
1994 強電解水歯科領域研究会発足
1997 厚生省:医療機器認可(手指洗浄消毒) O-157事件(1996)
→HACCPによる衛生管理
1998 厚生省:医療機器認可(内視鏡洗浄消毒)
【海外】
1994 自衛隊:感染予防の衛生管理に使用(WHO認知) ルワンダPKO活動
1998 米国EPA:殺菌剤製造装置として認可
■用途
実際に使用されている例をご紹介します。
・病院
院内感染対策(手指の洗浄、器具の洗浄)
アトピー性皮膚炎、壊疽、白癬症等 皮膚疾患の治療に
・老人ホーム
床ずれに
・歯科医
うがい、器具洗浄
・飲食店
食中毒対策(調理場、調理器具、手洗い)
また同時生成される強アルカリ性電解水は油脂の溶解力に優れているため、
油汚れ(床掃除)に利用。
・理・美容室
手荒れ、器具の洗浄に
・ペットショップ
動物の洗浄
・ゴルフ場
芝生の手入れ(散布農薬を軽減)